結論
FTA・EPA(自由貿易協定・経済連携協定)の活用は、「①活用可否の調査 → ②HSコード(関税分類番号)の確認 → ③原産地規則の確認・原産地判定 → ④原産地証明・証拠書類の整備 → ⑤社内体制の構築・運用」という5つのステップで進めると、着手しやすく、継続的な運用にもつながります。
背景
FTA・EPAを活用すると、対象品目や取引条件によっては関税負担を軽減できる可能性があります。一方で、協定ごとに異なる原産地規則や証明方法、HSコードの確認など、実務は多岐にわたります。そのため、「制度は知っているが、何から着手すればよいか分からない」という担当者の方も少なくありません。
実務ポイント
①活用可否の調査
輸出国・輸入国、品目、取引条件を確認し、利用可能な協定と、通常の関税率(MFN税率)との差を整理します。
②HSコード(関税分類番号)の確認
商品の仕様・材質・用途等を踏まえてHSコードを検討し、通常税率とFTA・EPA適用税率を調査します。分類の最終的な決定は、各国・地域の税関当局の判断によります。
③原産地規則の確認・原産地判定
品目別原産地規則(PSR)や、累積、デミニミス等の規定を確認し、対象品目が原産性の要件を満たしているかを判断します。
④原産地証明・証拠書類の整備
協定ごとに定められた証明方法(第三者証明、自己申告、認定輸出者制度等)に応じて、申告文やサプライヤー証明などの証拠書類を整えます。
⑤社内体制の構築・運用
判定根拠や証明書類の保存、更新管理、担当者間の引き継ぎなど、継続して運用できる体制を整えます。
具体例
例えば、ある部材をA国からB国へ輸出する場合、まず利用可能な協定の有無を確認し(①)、その部材のHSコードと適用税率を調べます(②)。次に、協定が定める原産地規則に照らして原産性を判定し(③)、必要な証明書類を準備した上で(④)、以降の取引でも同様の手続きを継続できるよう社内のルールを整えます(⑤)。
まとめ・ご相談
課題の一部だけでもご相談いただけます。現在の取引内容と運用状況を確認し、必要な支援範囲をご提案します。
※本記事の内容は2026年8月時点の情報に基づきます。制度・協定の内容は改定される場合があります。

